2016年8月24日水曜日

小国町、飯豊連峰の麓

裏磐梯から県道2号を北上して山形県に入りました。
白鷹町(しらたかまち)で、写真集や写真雑誌で馴染みの竹内敏信さんらプロ写真家による写真展「日本絶対風景写真展」を鑑賞しました。畳4~5枚程に引き伸ばされた作品が3~4枚展示され、それより小さいサイズの写真も含め多数展示されていて見応えがありました。

写真展の次に向いましたのが「釜の越桜」です。勿論、この時期ですから葉桜を承知で、どのような姿なのかかねてより興味が有りましたので寄ってみました。
非常に悲しい姿で、NO-2の写真でした。近い将来に期待する緑の葉を付けた小さな枝が残っていました。
NO-2

NO-1













暫く茫然としたり、養生しているらしい小さな柵の周りをとぼとぼと歩いたり、葉の無い枝を見つめていました。花を付けるのは何時になるのでしょうか?

小国町の道の駅「白い森おぐに」に夕方到着しました。前日に引き続き車中泊です。
翌朝、国道113号を東の方へ2kmほど走った所で右折して、「健康の森横根」へ通じる細い道に入り、朴の木峠に向かいました。
NO-3
車を止めた所から、まだまだ白い雪を頂いて聳えている飯豊連峰(写真NO-6)が見られました。峠の反対側(北の方角)、歩いて50メートル位戻りますと朝日連峰が望まれます。ここに到着する途中で薄く色付いているその姿が見えましたので、先ずそちらで撮影を始めました。
右の写真がその1枚で、6時20分に撮影です。峠とは云え、撮影場所が限定されてしまい撮れたのはこの一枚だけです。大きな葉を付けた木は朴の木で、花も見られます。

飯豊連峰が見える方に戻り、撮影を続けました。
峠の名前にもなっている朴の木の花を初めとして、藤の花、---うつぎ、等など見られたのですがタンポポの花が今回は非常に少なかったです。そのため、黄色いタンポポの花を前景にして飯豊連峰を撮ろうという思いは叶いませんでした。しかも、視界も心成しか鮮明さに欠け、山並の眺めが迫力に欠けていました。
NO-4
NO-5










NO-6
此処での撮影後、のんびり車を走らせて樽口峠から今日お世話になる民宿「越後屋」http://outdoor.geocities.jp/etigoya_kuma/ に向いました。下はその途中で撮った写真です。

NO-8

NO-7
昼食を食べるため、一度越後屋さんに寄りました。
情報を仕入れて再び樽口峠の駐車場にやってきました。ご主人に教えて頂いた山の中に入る小路が見つからず、駐車場の直ぐ脇の工事用の道に入ってみました。

NO-10
NO-9














NO-9はその道から傾斜のきつい斜面をよじ登って山の中に足を踏み入れて見つけたブナの大木です。木漏れ日が緑を美しく見せてくれていました。
NO-10はその道をさらに下って遭遇した景色です。組み合わせが面白いです。

4時頃駐車場に戻ってくると観光客らしい車は見られませんでした。一仕事が済み、山の様子でも眺めているような感じの地元の方がおられましたので話しかけてみました。
明日の日曜日にワラビ狩りが催されるとのことで、村の人たちとその準備をされていたようです。なるほど、30~40センチ程に育ったワラビが山の斜面に一杯で、写真を撮っている最中にも気付きました。小国町はワラビの特産地のようで、道の駅でも束になった物が沢山売られていました。

暗くならないうちに山を降りたいと思い、その方に挨拶をして、車を走らせました。何と、途中で日本カモシカに出会いました。双方驚くことも無く静かに通り過ぎました。

風呂に入り食堂に行きました。昼間はおそば屋さんの客席になっている所が宿泊客の食堂に変わっています。
色々なイワナ料理がならんでいました。これはイワナのルイべ、これは寒風干しをした甘露煮、これは内臓(胃袋だった記憶)のーーー、とご主人が一品一品丁寧に説明してくれました。珍味が勢ぞろいです。私は、ルイベが一番おいしかったです。勿論、山菜も形の異なる器で幾つも有りました。
普通、アルコールはビールから始まりますが、この時は冷酒からだったように思います。これもイワナのエキスを入れた特製のお酒です。一杯をあっという間に飲み干しお替り、またお替り、三杯頂きました。

ところで、昼間行くことが出来なかった山道について、もう一度じっくりお伺いして、明朝行ってみることにしました。
此処のご主人はそば屋さんの主ですが、趣味で風景写真を撮り、その写真が雑誌等に掲載される程の腕前の持ち主です。鈴木一雄さんのサイン入り写真集なども店内でみることができます。
明朝行こうとしている山道のコースは、地域興しの一環として整備を始めたところで、現段階では知る人ぞ知ると云う程度。まだ、一般公開にはなっていない山道です。

鍵を開け、外に出ました。
昨日通っている道で少しは目星がつき安心できますが、暗い山道を走るのは道の様子が分かりにくいため慎重な運転です。
NO-11
樽口峠に到着した時には、山の上の方に月が輝いていました。この暗さで山道に入るのは少々気が引けました。月を眺めながら、尻ごみです。
カメラだけ持って見晴らしの良い所で、山に懸かる月の写真を一枚撮りました。4時頃です。
これを機に、支度をして出かけることにしました。昨日見つけることが出来なかった山道への入口がすぐに分かりました。
ヘッドランプが無くても歩ける明るさになっていましたので、人が歩いた道をどうにか見つけつつ、山の中へさらに進んで行きました。木の枝に結び付けた赤いリボンもたまに見つかり、これには安心できました。何処に行き着くかは定かでないのですが、リボンが認められる限り道を見失っていないと思うことができ、先に進むことも出来ました。
ところが、30分程歩いたところで沼地のような所に出てきました。ぽっかりと丸い形の沼地で踏み跡もリボンも見つけられないのです。ここまで来たことは間違っていないと思えるのですが、ここからどちらへ進めばよいのかがはっきりしません。

周囲を見回してから、ここから引き返すーーー。足元をもう一度眺めました。沼の左側に太さ7~8センチの沼の土と同じように黒ずんだ木が五、六本横たわっていました。沈んでしまわないか用心しながら渡ってみました。
NO-12
渡れました。そこから数十メートル進んで、再び道らしき道に出会いました。この辺から、明るさも増し、道も今までより分かりやすくなった感じです。
左の写真は、実際は帰り路に撮った(6時23分)ものですが、このようなコースを歩いていたのです。

更に20分程歩きましたら、明るくなった空が森の先に見えるようになってきました。50メートル、20メートル、とうとう目的地と思しき所に到着しました。
見通しのきく澄んだ空気を通し、朝日に彩られた飯豊連峰の山並が目の前です。NO-13,14。


NO-13
NO-14









撮影位置がかなり低いため、飯豊連峰は手前の山に隠れるようになってしまいました。NO-14の撮影時刻は5時35分でした。
NO-15

30分ほど撮影してこの場を離れました。往路の記憶を思い出し、道を見失わないように、NOー12などの写真を撮りながら入口を目指しました。
NO-15は6時47分に撮りましたが、ブナの葉が朝日に照り、良い感じに仕上がったと思っています。

山の入口まで幸い熊にも出会うことなく無事に帰り着くことができ、、どうにか撮影をやり遂げることが出来ました。また、8時頃と云う朝食の時間にも間に合いそうです。

これにて、裏磐梯から小国町に至る撮影旅行を終わらせて頂きます。

2016年8月10日水曜日

久し振りの裏磐梯

久し振りに裏磐梯に来ました。5月18日(水)~20日(金)。
カレンダーでは初夏ですが、朝はかなり冷え込み、秋元湖での朝景撮影ではジャンパーを着ていました。3日間滞在しました。
次に、山形県の小国町へ移動して、二日間飯豊連峰を眼前に山の景色を撮りました。21日(土)~22日(日)。こちらは次回投稿予定です。

NO-1
左の写真は、二日目の早朝、秋元湖撮影の帰りに寄った五色沼の毘沙門沼、背景の山は磐梯山です。
初日もここに来たのですが、人が多く、時間も遅く(13時頃)、お見せできるような写真は撮れませんでした。



初日の午後は五色沼を幾つか見て回り、4時頃まで写真を撮りましたが、前述の様な訳でここにアップすることが出来ませんでした。

夕食事、ペンションどんぐり http://donguri.o.oo7.jp/ のオーナーと久し振りのよもやま話になり、合間に写真も見せて頂きました。
明日は何処へ行ったらいいでしょう?となり、秋元湖で朝景を撮ることにしました。

展望台の土手には3人が三脚を立てていました。日の出にはまだ間が有ります。が、天気が良すぎて空に雲が一つも見られません。
NO-2
NO-3









空が赤く焼けるドラマチックな写真は撮れませんでしたが、冷え込みが厳しかったお陰で予想外の風景に出合いました。


NO-4
NO-5









幾重にも連なる山並み、湖面に浮かぶ立ち木、形を変えて時々出現する白い雲、雄大な水墨画です。NO-5は日の出の方角から右へ移動した所で、斜めからの朝日が立ち木に当り、その木々が浮かび上がって見えました。水面には、「けあらし」とは言えないにしても水蒸気が忙しなく湧き立っていました。

引き続きまして、翌朝(3日目の朝)の光景もご覧頂きたいと思います。
NO-6
NO-7









赤みのある光景に出合うことができました。
NO-6と7は日の出前(20~30分)の撮影です。

NO-8
NO-9

見た目には三日目の朝の方が写慾をそそる光景ですが、撮影枚数では遥かに前日の方が多いのです。刻々と変化する多様な眺めに、気持ちが入ったのでしょう。

二日目の朝食後に向った所は、グランデコへの途中にある小野川不動滝で、緑濃い森の中の大きな滝です。
滝の前に立派な橋が架かり(3~4年前)、滝を両側から見られるようになりました。観光客が一組とカメラマンが1人、非常に空いています。

NO-10
NO-11














澄んだ青空と鮮やかな木々の緑を取り込みたいと思い、NO-10と11を撮りました。
下の2枚は対照的で、題材が面白いと思います。

NO-12
NO-13










NO-14
NO-14は滝の様子を高速シャッタースピードで捉えてみました。
どのように表現したら皆さんに滝を楽しんで頂けるのか、滝撮影は迷いますね。

最終日の三日目、中学生の団体による予約のためペンションどんぐりで連泊が出来なかったため、秋元湖での撮影後五色沼入口にあるビジターセンターの駐車場で朝食を食べ、身支度を整えて小国町へ向かいました。ルートは、桧原湖東岸から北上して白布峠を越えて、「最上川源流」の表示塔(写真右)などが見られる山形県米沢市に入りました。

ここからは次回の投稿とさせて頂きます。
合わせて、ご期待下さい。