2017年5月31日水曜日

上高地から

一昨年は五月末でしたが、今回はGW 明けの11日(木)~13日(土)に上高地に来ました。

新緑には早いし、花も咲いていないこの時期に何故来たか? それは、残雪が多く残っていて、場合によっては新たに降った純白の雪に覆われた穂高連峰の写真を撮りたい、です。

三日間のお天気はどうであったか、先ずお知らせします。
初日:午前中雨、時々雨の切れ間有り。
    午後、明るい曇り。
二日目:8時半ごろまで小雨、その後青空
最終日:朝から小雨。

扨て、
10日の夜は道の駅「風穴の里」で車中泊、翌朝4時頃に沢渡に向かいました。初発のバスより少し早い6時頃、三人で相乗りタクシーに乗り、私は大正池で下車しました。
傘を広げ、水辺まで下りて行きました。
腕組みしながら、穂高連峰の方を見ているご様子の方がお一人立っておられました。少し時間が進んでお昼頃、田代橋の休憩所で休んでいましたらこの方もやってこられ、いやー先ほどは、と挨拶し少し話をしました。絵を描くために上高地に来ておられるようでした。
大正池ホテルに宿泊されていて、あれからしばらく部屋で様子見をしておられたとのことでした。

私は休むところがありませんので、そのホテルの脇にある公衆トイレの庇を借りて休むことにしました。ほんの一時的には雨も止むのですが、カメラザックを背負ってここを離れられる程に好天にはなってくれません。8時頃、やっとトイレから離れられるような空模様になり、再び、先ほどの水辺に戻りました。焼岳も殆ど見えず、その反対側の方の立ち枯れの木や池の水面に視線を向けながら、それほどの当てもなく三脚の位置に思いを巡らせていました。

NO-1
NO-2









雲間から差し込んできた光がサーチライトのように目の前の木々を照らしてくれました。大正池の写真と言えば、穂高連峰が水面に映るか、または穂高連峰の前景として白い霧が沸き立つ写真などが定番ですが、私としては初めて見る珍しい光景です。木々の色付きと水面のグラデーションが輝いています。上記2枚共9時少し過ぎに撮りましたから、此処に着いて3時間近く待たされてやっと得られた収穫です。

NO-3
NO-4









NO-3は大正池の説明板で、定番写真を見ることができます。NO-4は12時20分頃撮りましたが、言わずと知れた河童橋の光景です。ここに至るまで、田代池を眺め、前述の田代橋での休憩中の出来事などはありましたが、ほとんど撮影にはなりませんでした。

五千尺ロッジのカフェでコーヒーを飲みながら軽い昼食を食べ、梓川左岸を通って嘉門次小屋に向かいました。明神館から明神橋へ行く途中でニリンソウを2~3個見つけました。まさに開き始めの花で、濃いピンク色がとてもきれいでした。



嘉門次小屋では、いつもの様にイワナの塩焼きとビールを楽しみました。近頃は外のテーブルを利用していたのですが、今回は久し振りに囲炉裏端に座りました。薪を燃やしている火の暖かさが身体に心地良く伝わり、くつろいだ雰囲気でビールを飲みイワナを食しましたが絶品でした。添付写真をスマホで撮りました。

温もりを包み込んで、次に向かいましたところはパワースポット明神池です。此処もほんとに久しぶりです。
NO-5
NO-6









冒頭でも記しましたが、今の時期は景色に色がありませんので、構図を創るのが難しいです。3時頃の撮影です。
NO-6 は久し振りに楽しんだ明神池や嘉門次小屋から梓川右岸を歩き始めて3~40分過ぎた辺り、梓川の河原に降りて撮りました。山肌の残雪をアクセントに芽吹いたばかりの緑色がとても印象的でした。
NO-7

写欲の湧く眺めの良い所を探しつつ、河童橋の方へ歩きました。岳沢の登山口に近づいた辺りに水量豊富な川があります。時間は4時頃で、宿に急ぐほどでもありません。ここで撮ってみようと、カメラザックを下し、川の様子を眺めました。その結果が、NO-7です。パソコンの背景画像に現在使用中です。

10分程撮影していましたが、その後はカメラを持ち出すこともなく宿(西糸屋山荘)に入り、初日の撮影活動は終了しました。
天気予報からすると、明日は期待できそうです。

二日目
5時頃、白樺荘側の河童橋のたもとに佇み空を見上げて少々がっかりしました。穂高連峰はかなりの部分が雲に隠れ、空も白いです。適当に、遊び半分で撮りつつ時間をつぶし、空が晴れるのを待ちました。
NO-8
NO-9









NO-8は6時50分、NO-9は朝食後の8時45分の撮影です。やっと、青空をバックに残雪多い穂高連峰をカメラに収めることが出来ました。幸いに、橋の上に程よい人影を配することも出来、待ちわびていたのは自分一人ではなく、多くの人の息づかいを感じる上高地を表現できました。
NO-10
NO-11









NO-10,11は河童橋付近で撮ったものですが、構図を変えてみました。NO-11は梓川を大きく取り入れましたが右下の川の色に注目して頂きたいです。
NO-12
NO-13









今回は、珍しい、久し振り、の場面が多いです。NO-12は、過去にその道すじを歩いているものの、写真を撮ったのは今回が初めてです。前日の帰路にここを通った時惹きつけられる思いがしました。山は六百山で、撮影場所は自然探勝路になっている岳沢登山口の分岐付近です。NO-13も六百山の山並みを雄大に流れる梓川を前景として撮りました。水の色も澄んで綺麗です。こちらはウエストン碑が見られる近くです。

最終日
最終日も早朝撮影を行いましたが、雨模様でご披露できる写真は撮れませんでした。下の2枚は朝食後のもので、ISO800で手持ち撮影です。
NO-14
NO-15









明るさがあり、雲が動いていますので、山肌が大きく見えた時などを狙って撮りました。NO-15は前のNO-12と同じ所ですが、趣が大分違います。この日のような悪条件で被写体と対峙するのも悪くないです。視野が広がり、得難い成果に結びつき、今後の活動に生かしたいと思います。

今回も面白い出会いがありました。
先ず、最初の場面は二日目のお昼頃です。 
私はバスターミナルのテーブルでおにぎりを食べていました。すらっとして背の高い山男が目に付きました。トイレにでも行かれたか一旦姿が見えなくなりましたが戻って来ました。テーブル脇に置いた私の三脚とカメラバックが目に付いた、と云うことで同じテーブルに座られたようです。山男でもあり、ヨットマン(お名前は伺っていません。ターミナルでお会いしたので、仮にT さんとします)でもあるようです。そして、海外も含めて色々な所へ出かけています。私を見て、まだまだ若い、と言っておられましたから80歳は過ぎていると推測しますが、シャキッとしたお姿で見た目は若いです。
次に、その日の宿泊地西糸屋山荘での同宿者さんとの会話です。
今回も別館を申し込みましたが、一部補修中ということで山荘の畳部屋をあてがわれ、私は昨日からの連泊二日目です。
部屋に入りますと、一泊目の方とは違う同宿者さんが既に一人おられました。80歳前後と思われる登山家(お名前は伺っており、覚えています。西糸屋でお会いしましたので、仮にN さんとします)です。かなりの話好きで、話がほとんど途切れません。奥さんがご主人と一緒に山登りがしたいということで、この辺の山を縦走して岳沢から下ってきたそうです。その奥さんが疲労困ぱいになり、宿の夕食が喉を通らづ水ぐらいで済ました、と語ってくれました。その時に、先代の山荘ご主人に大変お世話になったそうです。
此処までがN さんとの前置きになり、夕食時の会話が本題になります。どのような内容で話が進んだのか思い出せないのですが、N さんも自由にあちらこちらへと出かけることが多く、そのうち散骨の話題になりました。私が、そのような話を今日の昼間、T さんとしたばかりです、と言いました。二人が確認しあいながら話を進めると、N さんも昼間T さんと話し合っていたようでした。
話題はともあれ、何とも偶然な出会いではないでしょうか。旅に出ると楽しいことが色々あります。