2017年8月7日月曜日

夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空

7月19日(水)~21日(金)、竜宮小屋に2連泊して尾瀬ケ原に行って来ました。

下界は暑くとも、ここ尾瀬ケ原は標高 1,400メートル、木陰に入ったり風が吹いてきたりすると心地良い涼しさを肌で感じました。
のんびり、二泊三日の撮影を楽しんできました。

この時期の尾瀬は?、
夏がくれば思い出す---で始まる有名な「夏の思い出」の歌詞にある水芭蕉ではなく、ニッコウキスゲが尾瀬ケ原を黄色く彩り見頃を迎えていました。
悲しいことに、その規模はかなり小さくなっていました。宿泊する山小屋主人に伺った説明によりますと、鹿による食害も勿論有りますが、長い年月経過による地形の変化に起因していることもあるようです。それは、かつての低層湿原から高層湿原へ移行しつつあり、ニッコウキスゲの根株に施される栄養分が貧弱になり株数が減ってきているようです。
上の写真は、初日に牛首からヨッピ吊橋に向かう木道沿いを写したもので、3日間尾瀬ケ原を歩いた中でニッコウキスゲが一番多く見られた所です。15~20年ほど前、一面に広がる黄色い草原を眺めた記憶がありますが、今後どうなるのでしょう。幸いなことに、尾瀬沼の大江湿原周辺に咲くニッコウキスゲはまだ健在のようです。

ここからは歩いたコース順に、写真をご覧頂きたいと思います。
NO-1
NO-2









鳩待峠から山ノ鼻に向かって約1時間の行程を歩き始めました。およそ40分程歩いた辺りでギンリョウソウを見つけ、さらに進んだ所でNO-1のショウキランを撮りました。かなり珍しい花で、三日間で見つけることができたのはここだけでした。近くを歩いていた人にも教えてあげました。
NO-3
昼食後は山ノ鼻から歩き始め、いつも一休みする牛首(分岐)までやって来ました。そこからヨッピ吊橋の方へ少しばかり離れた所で黄色いニッコウキスゲが咲いているように見えました。休まづその場に行き、至仏山を望む構図でNO-2を撮りました。広々と伸びやかな雰囲気の尾瀬ケ原を堪能できるのではないでしょうか。
そこからまた少し移動して、東の方に目を向け、燧ヶ岳をこのような印象で撮ってみました。NO-3です。

冒頭のNOのない写真はこの辺りからさらに先へ進んだ所で、午後3時頃に撮ったものです。

初日の写真はここまでで、これからは二日目になります。
NO-4
朝の4時に山小屋を出て早朝撮影にでかけました。
辺り一面、凄い霧です。懐中電灯が無くても木道を歩くことが出来てしまいます。下の大堀川(水芭蕉撮影のポイント)辺りまで行ければ、と思いつつ歩いていましたがNO-4の写真(5時半撮影)はそこより手前です。写真を整理していた時に初めて気づきましたが、木道の先に二人の人影が入っていました。

NO-6
NO-5









ほぼ同じ時刻でNO-5を撮り、NO-6は竜宮小屋に近い所で4時半の撮影です。太陽はちょうど燧ヶ岳に隠れている時刻です。尾瀬ケ原に来る度に早朝撮影を行っていますが、このように深い霧に包まれたのは初めての経験です。またとない、幻想的な写真を撮ることができました。

朝食後、山小屋主人が淹れてくれたコーヒーをゆっくり味わい、準備運動をして、「見晴」の方へ向かうことにしました。時間がありますので、尾瀬ケ原を広い範囲で歩いてみようと思いました。コースは、先ず見晴へ.。その途中で撮った写真がNO-7~9 です。そこから三条の滝の方へ向かい、東電小屋への分岐に着くまでにNO-10を撮りました。ハクサンチドリもこの間で見ることが出来ました。ここの分岐を東電小屋の方へ向かいました。

NO-7
NO-8










NO-9
NO-10









花の名は番号順に、タテヤマリンドウ、チングルマの果穂、トキソウ、○○アザミです。勿論、この他にも沢山の花が咲いていました。サワラン、キンコウカ、そして珍しいところで前述のハクサンチドリ等々です。私は、花だけを撮るのではなく、NO-10のように山などと一緒に撮れると一段と興味が湧いてきます。

東電小屋で少し休憩して、ヨッピ吊橋まで来ました。この間は周囲を眺めただけであまり写真は撮りませんでした。ちょうどお昼に近い時間でしたので、山小屋で用意してもらったおにぎりの弁当を食べ、のんびりしました。

此処から昨日とは逆になる、ヨッピ橋から牛首へ向かうことにしました。

NO-12
NO-11













NO-13
NO-11、12は池塘が多くみられる所で12時半頃の撮影です。NO-11に見られる小さな花はヒツジク゚サで、NO-12の山は燧ヶ岳です。
NO-13は午後1時半に撮りましたが、前の写真から一時間が過ぎた場所を思い出そうとしますがはっきりしません。それはともかく、緑の草原に黄色いニッコウキスゲが綺麗です。

夕食後、夕景を撮ろうと30~40分間、竜宮十字路付近で座ったり立ったりしていましたがよい光景に出会えませんでした。チクチクと小さな虫が手や顔にまとわりつき、小屋に引き上げ、2日目は終了しました。


最終日の三日目も早朝撮影にでかけました。ヘッドライトを点けて歩くほどに暗く、昨日よりかなり悪い雰囲気です。なんとか撮ってみたのが下の2枚です。
NO-14
NO-15

空は黒っぽい雲に覆われ、それに反し朝焼けのハイライト部分がほんの僅かで、構図に悩みました。
朝食後は被写体を探しながら、帰路になる山ノ鼻を目指しました。
NO-16
NO-17

NO-16は、ニッコウキスゲが綺麗に咲いていましたので、至仏山を背景にしたこのような構図で撮りたいため、撮影位置を選び、手持ちで撮影しました。山小屋から30分位歩いた8時頃です。
直近の2014年秋に来た時、この道筋で逆さ燧ヶ岳を撮っていますのでそれを見落とすまいと気にかけながら、後ろを振りかえったり前を見たりキョロキョロと木道を踏み外さないように歩きました。予想外に山ノ鼻寄りに来た所でその場所を見つけました。NO-17がその成果です。手前に咲いている一輪のアヤメはヒオウギアヤメでしょう。

山ノ鼻には10時少し前に着くことが出来ました。時間はまだありますので、初日と同じように研究見本園に入りました。
初日分の写真は一枚もアップできませんでしたが、此の日は気に入った写真が少し撮れました。
NO-18
NO-19

NO-20
NO-18は小さな池に映えるニッコウキスゲ、そして-19は白樺林を背景にしたニッコウウキスゲ、綺麗に咲いていれば主役になれる花です。
ここにきて初めて取り上げましたが、NO-20はワタスゲを取り込みました。あちらこちらで見ることが出来ましたが、見頃が過ぎていましたので主題としては撮りませんでした。NO-20は遠く聳える燧ヶ岳のアクセントとして写してみました。

山ノ鼻と鳩待峠間の登り道では一枚も写真は撮りませんでしたので、これをもちまして二泊三日の尾瀬ケ原写真撮影は終了です。
長らくのお付き合いありがとうございました。